

私がやりますょ、決断する82歳:アドバイスに謙虚な姿勢が凄すぎる
今日お会いしたのは、多くの会社で役職をこなす82歳の紳士。とは言っても仕事以外での顔は「元気なお爺ちゃま」でした。ご自身が会長を務めるメインの会社から独立した新しい会社を立ち上げ、地方自治体と協力して事業を計画しておられます。昭和のワンマン経営者の風貌は感じませんでしたが、判断に必要な情報を信頼出来る人から得て、自分自身で判断し、即行動する82歳の経営者に感服です。
資料を拝見して、いくつかの問題点があったのですが、そんなことは、地方自治体の担当者、金融公庫の担当者が指摘しているはずなのに、なぜ、私にこの大切な資料を見せ、一体何を相談するのか? まさか、「お付き合いを」なんてことはないでしょうし…しかし、お話をしている内に、幾つかの「なるほどね」がありました。まず一つ目は、
成功者でも悩みはある
事業と言うものは数年で終わるモノではない訳です。今回の事業に関しては、スタートは切れるが、その理念を託す人物、または組織に心当たりが無い、成功者でもぶつかる年齢的な悩みです。二つ目は、関連企業に、事業理念にそぐわない企業が混じっている気配もありました。というも、事業のコンテンツが玉石混合で、一つのフェーズで完結させようとしている無理がありました。長い年月、経営者として活動なさってきたことでの、「しがらみ」や「忖度」が伺われました。
こういうご相談の場合は、ご自身がある程度の修正案を持っていて、その修正案に対しての「意見」と「修正案を実現させる手法」に対しての相談が多いのです。私なりの修正案(草案)のご提案と手法の提案をしたところ、しっかりとメモを取られ、幾つかご質問なされて、充分納得され、ご自身なりの判断をなさったのでしょう、「この部分は私がやりますので、その上でもう一度相談にのってもらえますか?」 と想定外の言葉にチョットびっくり。
通常、「その修正案を作成してもらえますかぁ?」と来る訳です、ましてやご高齢。「自分でやる」のが手間も暇もかかり、人間関係に必要のない気を使う事を充分解っているはずです。更にまた私に相談するということは、「計画を合理的に通す」という観点での意見を求める訳で、しがらみや忖度などは、考慮されない事も理解されている訳です。
大切なのは、自ら行動すること
「判断に必要な意見を聴いて、自分で判断して実行する」ことが当たり前でやってきた人は、たとえ何歳になってもそうやっていくのだと改めて思いました。わざわざ地方からいらして頂き、こちらが勉強させてもらっちゃった感じです。わたしも負けてはいられないので、駅からタクシーで帰る予定を、駅前でやっていた募金運動にタクシー代を寄付して、歩いて帰りました。